ニンニクの花粉稔性と関連するRAPDマー力一について

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ニンニクには稔実可能な植物もあることをすでに明らかにしたが,種子生産,あるいは効率的な交雑育種を行うまでにはまだ多くの問題がある。Marker-Assisted Selection(MAS)は導入したい形質を検出するには効果的な方法で,特に早期の選抜には有効である。近年,RAPDマーカーは新しい分子マーカーとして利用されている。本実験ではPCRでニンニクのゲノムDNAを増幅し,花粉稔性と関連するRAPDマーカーを検出した。稔性と関連するRAPDマーカー探索のため,可稔と不稔のニンニク12系統を供試材料にし,60種の任意配列の10塩基プライマー(0PERONのJ,K,Lキット)を用い,PCRを行った。12系統のニンニクのゲノムDNAを増幅したところ,全部で625本の異なるDNA増幅産物が得られた。その中で,228(36%)本の増幅産物は12の系統に共通で,397(64%)本は系統によってRAPD多型性を示した。そのうち,プライマー0PJ12(5'-GTCCCGTGGT-3')により増幅した2本OPJ12_<1300>とOPJ12_<1700>は可稔系統にのみ見出だされた。更に,この2本の増幅産物と花粉稔性との関連を確認するため,60のニンニク系統において,OPJ12でゲノムDNAを増幅した。可稔の全31系統において,この2本の増幅産物は常に対となって検出された。そのほかの不稔の29系統において,0PJ12_<1300>は系統No. 56, 138, 234とF_4-413にも増幅されたが,0PJ12_<1700>は検出されなかった。唯一の例外として,花粉不稔であるNo.395-2には,これら2本の増幅産物が検出された。本研究はニンニクの可稔個体のMASのための第一歩を踏み出したものである。
日本育種学会の論文
1997-12-01

ニンニクの花粉稔性と関連するRAPDマー力一について

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