露地•ハウス栽培の桃色および赤色系トマト品種の果実の肥大•着色特性と高温期における色素の形成
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概要
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桃色系および赤色系トマト13品種の露地およびハウス栽培における果実の生育と着色ならびに色素形成について調査し, 高温期における着色特性について検討した.<BR>トマトの開花期はハウス区が露地区より2~3日早かったものの果実の肥大, 発育状況は両区とも近似した. 果実は開花後30日に完熟果の約30%の大きさに肥大し, 40日後には約70%の大きさに, そして開花後約45日で80%の大きさに肥大した. この生育期からクロロフィルの減衰 (緑白熟期) が急速に進み, 同時にカロテン類が形成され着色 (催色期) が進行し,その後7~10日で完熟期 (開花後55日) に達した.<BR>露地およびハウス区の完熟果の色差値a/b値は,桃色系品種で2.6~1.4, 赤色系品種で1.9~1.1を示し, 桃色系品種の値が赤色系品種よりやや高くなる特性が示された. これらの品種の露地およびハウス両区における完熟果は約70~80μg•g<SUP>-1</SUP>の有色カロテン類を含有していた.<BR>また, 色素の形成能力が高く蓄積量が多い品種ほど高温着色性が優れ, 色素の蓄積量が少ない品種は高温着色性が劣る傾向が認められた. 高温着色性が優れる品種は桃色系品種の福寿二号, サターンおよび赤色系品種のMoneymaker, Red Cherryであった.
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