置換反応を利用した水銀の間接原子吸光分析
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概要
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酢酸ブチル中のカドミウム(II)-DDTC錯体は非常に安定で,この錯体中のカドミウムと水銀との置換反応は定量的に進む.これを利用して微量有機および無機水銀の原子吸光分析法を検討した.<BR>pH5.5〜9.5で水銀を含む水溶液とカドミウム(II)-DDTC錯体の酢酸ブチル溶液とを振り混ぜてカドミウムと水銀とを置換させ有機相のカドミウム量を空気-アセチレンフレームの原子吸光で定量することにより相当する水銀の定量が可能である.0.5μg-カドミウム/m<I>l</I>カドミウム(II)-DDTC錯体の酢酸ブチル溶液10.0m<I>l</I>を用いた場合,検量線は0〜5.0μg-水銀(II)(有機水銀:0〜10.0μg水銀)の範囲で直線となり,その傾きは有機水銀1に対して無機水銀(II)は2であった.1%吸収の水銀濃度は有機水銀で0.05μg水銀/m<I>l</I>(有機相),無機水銀(II)で0.025μg水銀/m<I>l</I>(有機相)である.また,くりかえし定量における標準偏差パーセントは有機水銀で1.4%,無機水銀(II)で3.0%であった.Cd(DDTC)<SUB>2</SUB>錯体中のカドミウムと水銀との置換反応を利用して,連続変化法により水銀(II)-DDTC,メチル水銀-DDTC錯体の組成を検討した.その結果,水銀(II)とDDTCおよびメチル水銀とDDTCの結合モル比はそれぞれ1:2および1:1であった.
- 社団法人 日本分析化学会の論文
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