ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム-ジイソブチルケトン抽出による水中の微量重金属類の原子吸光分析
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概要
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水中に溶存するカドミウム,鉛,銅,ニッケル,コバルト及び鉄の6金属に対し,適当なキレート剤を用いて各金属キレート化合物を形成させ,水に対する溶解度が非常に小さく,又,金属キレート化合物の抽出能も優れているジイソブチルケトンを抽出溶媒として使用することにより,水相容量1000 ml:有機相容量10 mlの比を用いる抽出濃縮が可能となり,溶媒抽出-原子吸光法によるppbレベルの金属の同時定量法を確立した.キレート剤としては,ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウム(APDC),ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(DDTC),オキシン(Ox),クペロン及びブチルキサントゲン酸カリウム(KBtX)について検討した.その結果,APDC,DDTC及びKBtXを用いた場合,6金属の同時抽出がそれぞれpH(1.5〜6.0)の範囲,pH(5.3〜8.0)の範囲及びpH6.7の付近で可能となった.特にAPDCを用いた場合は6金属の同時抽出pH範囲が広く,かつ低pH領域での使用が可能などの利点が認められた.Ox及びクペロンについては6金属を同時に抽出する際の最適pH範囲は存在しなかった.本法を用いた応用実験として実試料(河川水,海水及び下水処理場排水)に一定量の金属を添加し回収率を検討した結果,ほぼ95%以上の良好な回収率が得られた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1980-12-05
著者
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