新しく発見された肝細胞質内封入体“リング体” : その出現の意義
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概要
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我々は肝細胞,Kupffer細胞及びマクロファージ内にビクトリア青染色で陽性に染色されるリング状封入体(リング体)を発見した.このリング体はリン脂質を含み,ライソゾームに関連しており,電顕的には著しく腫大したリポフスチン様構造物と考えられた.650例の生検肝でリング体の出現率を検討した.非A非B型慢性肝炎では33%(輸血歴を有するものでは57%),アルコール型肝障害でも29%と高率にリング体を認めた.しかしB型慢性肝炎で5%,原発性胆汁性肝硬変,ルポイド肝炎で0%,その他3%とリング体の出現率は低かった.また急性肝炎でリング体が観察されたのは,慢性肝炎への移行が疑われた3例の非A非B型輸血後急性肝炎のみであった.<BR>以上,リング体の出現は,非A非B型慢性肝炎及びアルコール型肝障害におけるひとつの形態学的指標に,また急性肝炎では慢性化の指標になりうる可能性が示唆された.
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