D-penicillamine療法中のWilson病における肝予備能 : antipyrine酸化能と尿中代謝産物の変動
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概要
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D-penicillamine治療を長期間継続中のWilson病6例(肝硬変5例,非肝硬変1例)および正常対照7例と肝炎後肝硬変症6例に対し,antipyrine (600mg/mm2)を経口負荷し,血中半減期(T1/2), clearance (Cl)および24時間尿中の主要代謝産物である3-hydroxymethylantipyrine (HMA), norantipyrine (NORA), 4-hydroxyantipyrine (OHA)をHPLCにより分離測定した.<BR>肝炎後肝硬変患者では,T1/2の延長とCl,尿中代謝産物総回収率および総抱合率の低下を認めたが,Wilson病患者ではいずれも正常と差がなかった.また,各代謝産物(HMA, NORA,OHA)の尿中排泄量はWilson病患者と正常対照群の間で有意差を認めなかったが,肝炎後肝硬変患者ではいずれも有意に低下していた.<BR>以上より,適切な治療により安定した状態にあるWilson病肝硬変患者では,薬物酸化能および抱合能がともにほぼ正常に保たれており,肝炎後肝硬変患者とは薬物代謝能および肝予備能の面で明らかな差異があることが示された.
著者
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乾 由明
大阪大学第2内科
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田村 信司
大阪大学第2内科
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松田 幸彦
大阪大学第2内科
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伊藤 信之
大阪大学第2内科
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永瀬 寿彦
大阪大学第2内科
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垂井 清一郎
大阪大学第2内科
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今井 康陽
大阪大学第2内科
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河田 純男
大阪大学第2内科
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稲田 正己
大阪大学第2内科
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野田 修造
大阪大学第2内科
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斉藤 隆三
大阪大学第2内科
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