総胆管壁内付属腺嚢胞による閉塞性黄疸の1症例
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概要
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症例は38歳男性,15年間のアルコール多飲歴と急性アルコール性肝炎の既往歴があった.昭和61年1月激烈な腹痛と黄疸にて近医で入院加療を受けた.4月になって胆嚢腫大と肝内胆管拡張を来たし,精査目的にて当科へ転院した.血液化学検査で白血球増多,LAP, ALP,γ-GTPの高値と直接型優位のbilirubinの著増を認めた.腹部CT,経皮経肝胆管造影,逆行性膵管造影にて総胆管は膵部で圧迫閉塞所見を示し,腫瘍マーカーの高値と考え合わせて胆管癌と診断した.膵頭十二指腸切除術の結果,Vater乳頭部から2cmの総胆管壁に径7mmの水腫様腫瘤を認めた.三管合流部に異常なく,膵実質及び膵管に多数の結石を認めた.病理組織学的に,1)腫瘤は総胆管付属腺の拡張による嚢胞,2)石灰化を伴なう慢性膵炎,3)胆嚢炎及び総胆管炎と診断された.<BR>総胆管壁内付属腺嚢胞に起因する閉塞性黄疸は非常に稀であるので報告した.
著者
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宮地 秀樹
兵庫医科大学第2病理
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岩尾 憲人
市立芦屋病院 内科
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河田 純男
大阪大学第2内科
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沢田 道雄
市立芦屋病院外科
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松田 幸彦
市立芦屋病院内科
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甲田 徹三
市立芦屋病院内科
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倉堀 知弘
市立芦屋病院内科
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岩尾 憲人
市立芦屋病院内科
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