肝不全時の脳内神経伝達物質レセプターに対するベンゾジアゼピン投与の影響 : γ-amino butyric acid (GABA)結合能を指標として
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概要
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肝不全時の脳内神経伝達物質レセプターに対するベンゾジアゼビン(BDZ)投与の影響をGABA結合能を指標として検討した.対照ラットより調製した脳シナプス膜では,BDZ10-12MでBDZ非添加時に比し14%と最大のGABA結合能の増強を示し,より高濃度ではむしろ増強効果の減弱を認めた.一方,肝不全ラットでは,10<SUP>-12</SUP>Mで7%, 10<SUP>-11</SUP>Mで32%とGABA結合能は濃度依存性に増強効果を示し,10<SUP>-10</SUP>〜10<SUP>-8</SUP>Mで34%と平衡に達した.この結合能の増強はkinetic studyの結果,対照ラットでは低親和性結合部位のaffinityの増強,肝不全ラットでは同部位のaffinityのより強い増強とdensityの増加の両者によることが判明した.以上より肝不全時には,BDZ投与によりGABA結合能が対照群に比し,より増強すること,すなわち脳内神経伝達物質レセプターレベルでの異常が存在する可能性が強く示唆された.
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