ラット脳におけるNorepinephrineとDopamine代謝に対するMethamphetamineとReserpine類似薬の作用
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概要
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ラットの側脳室内に<SUP>14</SUP>C-norepinephrine(14G-NE)または<SUP>14</SUP>C-dopamine(<SUP>14</SUP>C-DA)を投与し,未変化体およびその代謝物を薄層クロマトグラフィーを用いて分離定量する方法に検討を加え,従来の方法に比較してさらに簡易迅速な実験方法とした.この方法を用いて<SUP>14</SUP>C-NEと<SUP>14</SUP>C-DAの脳内代謝を検討し,<SUP>14</SUP>C-NEに比較して14G-DAの消失が速やかなことを確認した.<SUP>14</SUP>C-NEの場合は,総放射能中に占める未変化体の割合が多く,経時的に増大したのに対し,<SUP>14</SUP>C-DAの場合は,未変化体の割合は少なく,急速に代謝を受けて脱アミノ体が初期に大量に出現し,次いでO-メチル脱アミノ体の一時的増加が見られた.さらに脳内catecholamine代謝に影響を与える薬物の作用について検討した.Methamphetamineは,NE代謝に対し,未変化体,脱アミノ体およびO-メチル脱アミノ体を減少させ,normetanephrineを著明に増大させた.DA代謝に対しては,3-methoxytyramineとhomovanillic acidの増加ならびに脱アミノ体の減少を認めたが,未変化体とNEには変化がなかった.またreserpine類似薬(Ro4-1284)はNE代謝に対し,未変化体を減少させ,脱アミノ体とO-メチル脱アミノ体を増加させた.DA代謝に対しては,未変化体とNEを著明に減少させ,homovanillic acidを増加させた.以上の結果から,両薬物のNEとDA代謝に対する作用を比較すると,methamphetamineはNE代謝に,一方,Ro4-1284はDA代謝により強く影響をおよぼした.
- 社団法人 日本薬理学会の論文
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