山羊の消化管各部位への血液尿素の出現

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1) 山羊の消化管各部位への総NおよびNH3プールに出現する血液尿素の割合を,N含量の異なる3種類の飼料区(1日体重kg当たりDCP給与量0.7〜1.9g)で比較した.7頭の山羊を3区の飼料区に分けて4週間飼育し,頸静脈内へ15N尿素を連続注入して17時間後,血液中の15Nベルがプラトーに達した時点で屠殺して反芻胃,第三胃,第四胃,小腸,盲腸,結腸,糞の量,N,NH3,15N,15NH3のレベルを測定した.2) 各飼料区の血清尿素レベルは飼料区1,2,3で,それぞれ4.9,10.3,16.6mgN/dlであり,血清尿素のイリバーシブル•ロスは体重kg当たり6.7,13.6,18.1mgN/時間であった.血清尿素のイリバーシブル•ロスに対する消化管出現量の割合は,飼料区1,2,3で72.1,64.2,13.2%であった.各飼料区における反芻胃内NH3レベルは血清尿素レベルとほぼ等しい値を示し,第三胃,第四胃,小腸もN摂取量の増加に伴い上昇する傾向を示した.血液尿素の消化管各部位のNH3プールへの出現割合は反芻胃が39.7〜46.2%であり,反芻胃以外の主要部位は小腸で31.9〜40.3%であり各飼料区における差はなかった.3) 次に各消化管のN濃度を飼料区1,3で比較したとにろ,反芻胃,第三胃,第四胃において,飼料区3(適蛋白質飼料)で明らかに高かったが小腸以下では差がみられなかった.血液尿素の全消化管Nプールへの出現量に対する反芻胃Nプールへの出現量の割合は,飼料区1(低蛋白質飼料)では75.8%であり,飼料区3の51.7%と比較して高かった.
社団法人日本畜産学会の論文

山羊の消化管各部位への血液尿素の出現

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