チェルノブイルからの放射性物質が日本の西南地域の牛乳および牧草中の131Iおよび137Cs濃度に及ぼした影響
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概要
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±チェルノブイルの原子炉事故後の九州地域における牛乳および牧草中の131I濃度は,1986年5月11日および5月10日にそれぞれ最高の116.5pCi/lおよび1764.0pCi/kgに達し,その後変動はあったものの,ゆるやかに減少した.牛乳中の131Iは5月30日には検出出来なくなったが,牧草中のそれは,6月2日であってもなお379.4pCi/kg検出された.乳牛に137Csで汚染した牧乾草(333.1pCi/kg)を給与したところ,給与8日目以降,牛乳の137Cs濃度はほぼ一定の状態を示すようになった(実験1).また,乳牛に1日当たり672.4pCiを含む飼料を給与したところ,牛乳中の137Cs濃度は,ほぼ2pCi/lを示したが,さらに1日当たり3,409.9pCiを含む飼料を給与したところ,その濃度は9.7から10.9pCi/lの範囲を示した.飼料中の137Csの移行係数を計算したところ,実験1および2でそれぞれ0.38および0.31となった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
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栗原 光規
九州農業試験場畜産部
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高橋 繁男
九州農業試験場
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三橋 俊彦
農林水産省畜産試験場
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相井 孝允
九州農業試験場畜産部
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久米 新一
九州農業試験場畜産部
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相井 孝允
九州農業試験場
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栗原 光規
九州農業試験場
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