恒温ならびに変温環境下における泌乳牛の心拍数, 呼吸数および直腸温の日周リズムについて

概要

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気温と生理反応の日周リズムとの関係を検討する目的で, 泌乳牛を用い, ズートロンにおいて, 18℃恒温下および日平均気温が29℃で同じであるが温度の変異幅が25.5〜32.5℃と22〜36℃で異なる変温下で, 心拍数, 呼吸数および直腸温を測定した結果は次の通りである。1)心拍数は18℃恒温条件下では採食に伴う増加が明瞭であった。高温の変温条件下では採食後に著しい増加は認められず, また, 気温の変化との関係もほとんど見られなかったが変温下では変動係数が小さくなる傾向が見られた。2)呼吸数は恒温条件下で日内の変化に明らかな傾向は無かったが, 変温条件下では気温変化に密接に関連して増減し, 25.5〜32.5℃の温度幅では気温の周期と呼吸数の周期の位相のずれは約2時間, 22〜36℃の温度幅では位相のずれが約1時間であった。3)直腸温は恒温条件下では採食後に増加したが, 日内での一定の変化の傾向は認められなかった。一方, 変温条件下では気温の変化に遅れて増減し, その遅れは25.5〜32.5℃の温度幅で約5.5時間, 22〜36℃の温度幅で約3.5時間であり, 呼吸数と同様に, 温度幅が大きい方が位相のずれは小さくなる傾向が認められた。
日本家畜管理学会の論文
1984-10-27