北海道における舎内気温の上昇に対する泌乳牛の行動反応
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概要
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舎内けい養の泌乳牛4頭について,高温に対する行動反応をみるために,適温期(1988/6/29-7/5)と高温期(1988/7/30-8/5)に5分間隔で行動を記録した.給餌量は個体ごとに各期ともほぼ同量に制限給与した.飼料を混合し1日3回にわけて給餌した結果,以下の成績を得た。1) 舎内平均気温は適温期が18.4°C,高温期が24.2°Cであった.供試牛の直腸温と呼吸数は,適温期の38.5°C,35回/分に対し,高温期で38.7°C,50回/分と高くなった.2) 採食時間と反芻時間は各個体とも適温期よりも高温期で短くなり,1日の総そしゃく時間では平/均108分短縮した.特に横臥しながらの反芻時間は高温期で140分短くなった.3) 高温期における1日の佇立時間(採食時間を含む)は810分と平均80分長くなり,横臥時間はその分短くなり630分であった.4) 高温期間中において,舎内気温と佇立時間との間に正の,横臥時間との間に負の有意な相関(P<0.01)を認めた.これらの高温時の行動反応について放熱の促進や産熱の抑制という体温調節に関連づけて考察した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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