公共牧場のホルスタイン種育成牛群における集団形成と個体間関係の季節的変化
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概要
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放牧牛群の生態は種々の条件によって変化するが, 公共牧場の牛群は互いに認知していない個体同士で構成されている場合が多いために, その群生態は社会的条件が大きく関与してくるものと考えられる. そこで栃木県塩原町八郎ケ原牧場のホル種育成・未経産牛群50-90頭を対象に, 群生態および個体間関係について5月中旬から10月中旬までの放牧期間中随時, 14日間にわたり調査した.<BR>その結果, 放牧前期 (5月中旬から7月中旬) では, 牛群はいくつかのサブグループにわかれて散在した. 個体間関係では, 同一農家からの仲間牛同士, さらに前年度放牧経験牛同士が集結して行動する傾向にあった. 中期 (7月中旬から8月中旬) では, 個体は一群に収束し, 体格の大きい未経産牛が群の中心部に位置した. この時期はアカウシアブ (<I>Tabanu schrysurus</I>) などの大型アブの活動時期と一致し, 群外縁部にその寄生が認められたことから一群集結は大型アブに対する防衛反応と考えられ. 群の中心部はアブの攻撃の少ない好適な場と推定された. 後期 (8月下旬から10月中旬) では, 牛群は広範囲に散開し, 仲間牛同士集結する個体間開係が不明確になった.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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