搾乳時における乳牛の後肢の行動といくつかの要因との関係について

概要

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搾乳時の牛の行動の中で、管理作業の妨げになると思われる後肢の3行動形、踏み換え、挙げ、および蹴り、の発現回数に対して、(1)朝・夕の搾乳時刻、(2)季節、(3)農家、(4)搾乳機装着経過時間帯、(5)年齢、および(6)牛の泌乳ステージの各要因との関係を調査した。結果は以下の通りであった。1)夕方の搾乳時刻に踏み換え回数が多かった。2)夏と冬の季節間に3行動形の発現回数の差はみられなかった。3)3行動形の発現に農家間で差がみられ、夜間放し飼いの農家で踏み換え回数は多く、カウトレーナーの使用の農家で挙げ、蹴りの回数は少なかった。4)搾乳機装着後, 時間が経つと、踏み換え、挙げの回数は減少した。5)踏み換え回数は3歳の牛で多く、その後の年齢で少なかった。6)有意ではないが、挙げの回数は分娩後10ヶ月以降の牛で少なく、蹴りの回数は分娩後2ヶ月未満で多い傾向があった。7)3行動形の発現回数とも搾乳機装着時よりも、前搾り・清拭時の方が回数が多かった。以上の結果より、搾乳時の牛の後肢の行動は搾乳機装着経過時間、年齢、および泌乳ステージによって違う乳房の状態や高温にはあまり影響を受けず、管理方法に影響を受けることが示唆された。日本家畜管理学会誌、32(1) : 11-17.1996.1996年1月8日受付1996年4月22日受理
日本家畜管理学会の論文
1996-07-23

搾乳時における乳牛の後肢の行動といくつかの要因との関係について

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