乳牛の体温調節性生理反応に及ぼす環境温度と風速の影響について : 風速作用の体感温度表示の試み

概要

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農水省畜産試験場の環境調節室を用い,4頭のホルスタイン種搾乳牛の体温調節性生理反応に影響する環境温度と風速の作用割合を明らかにし,風速を加味した体感温度の提示を試みた.環境温度は4°Cから30°Cの間で6段階,風速は無送風から牛の頭部で2.25m/sの5段階に設定した.生理反応は直腸温,体表11点の皮膚温,呼吸数および心拍数について測定した.呼吸数と平均皮膚温には,環境温度の上昇に伴う増加•上昇,風速の増加に伴う明らかな減少•低下が認められた.直腸温には,両者の明らかな影響は認められなかった.心拍数は,環境温度8°Cで最低値を示し,両側温域でわずかながら増加し,風速の増加で減少する傾向を示した.環境温度(乾球温度,DBT,°C)の上昇と風速(√AM, m/s)の増加に対する呼吸数と平均皮膚温の作用割合は,温域によりかなり異なるものであったが,呼吸数と平均皮膚温に対する温度と風速の作用割合の平均値は1:-9〜-10.5の範囲にあり,風速を加味した体感温度(ET (DBT, AM))を以下のように提示し,本表示の防暑,防寒対策に対する効用について考察した.ET (DBT, AM)=DBT-10.√AM
社団法人日本畜産学会の論文