明暗環境下における産卵鶏の脳電図観察による睡眠相と体温,心拍数及び呼吸数の日内変動
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概要
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14時間明期10時間暗期の明暗環境下において,脳電図の観察による睡眠相と体温,心拍数および呼吸数の日内変動を,4羽の産卵鶏を用いて観察した.明期においてはほぼ持続的な飼料摂取行動が見られ,体温,心拍数および呼吸数は,著しく変動しつつ高い水準を推移した.鶏は消灯後短時間内に入眠状態となり,漸時,徐波睡眠と逆説睡眠が発現した.暗期10時間で,まどろみを含めた総睡眠時間は,4羽の平均で518分であり,その24.5%がまどろみであり,71.8%が徐波睡眠であり,3.8%が逆説睡眠であった.消灯後1時間目では,まどろみ時間が多く,徐波睡眠時間は少なかったが,消灯後2時間目以降の徐波睡眠時間は安定して推移した、消灯後3時間目以降には逆説睡眠が発現して睡眠状態は深まり,消灯後4時間目以降には安定した逆説睡眠量を含む深い睡眠状態が点灯に向けて維持された.しかしながら,点灯前1時間には,再びまどろみ時間が増加し,徐波睡眠時間は減少した.入眠に伴い,体温,心拍数および呼吸数は著しく低下し,特に,体温と心拍数は暗期を通して安定して低い水準を推移した.体温では,消灯後の低下が遅延し,点灯前にやや上昇する傾向も見られた.以上の結果,鶏は消灯後の時間経過と共に睡眠を深め,暗期の大半の時間を睡眠に費やし,それに伴い,何れの生理反応もほぼ安定した低い水準を維持することが明らかとなった.しかしながら,各睡眠相の変化に対応した各生理反応のより精密な関係は明らかにできなかった
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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