濃厚飼料多給時における乳牛の水分出納に及ぼす環境温度の影響

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濃厚飼料多給時における乳牛の水分蒸発量に及ぼす環境温度の影響を検討する目的で, ホルスタイン種乾乳牛および泌乳牛をそれぞれ3頭ずつ用いて実験を実施した。実験処理は, 環境温度4水準(1期 : 18℃-8日間, 2期 : 26℃-8日間, 3期 : 32℃-8日間, 4期 : 36℃-7日間(泌乳牛 : 36℃-4日間))とし, 相対湿度は各処理とも60%とした。その結果, 以下のような知見を得た。1)飲水量と体温との間には乾乳牛では有意な正の相関が認められた。しかし, 泌乳牛では36℃において体温の有意な上昇がみられたにもかかわらず飲水量は低下した。2)尿量は, 乾乳牛で環境温度間に有意な処理差が認められ, 環境温度の上昇とともに増加した。しかし, 泌乳牛ではこのような差が認められなかった。3)糞中に排出される水分量は, 乾乳牛では環境温度間に有意差を認めなかったが, 泌乳牛では環境温度間に有意な処理差を認め, 環境温度の上昇に伴う糞排泄量の減少とともに減少した。4)水分蒸発量は, 乾乳牛で環境温度の上昇とともに増加する傾向を示した。一方, 泌乳牛では, 32℃まで環境温度の上昇とともに増加したが, 36℃では減少を示した。5)重回帰分析の結果から, 環境温度および飲水量を説明変数として水分蒸発量を推定しうる可能性が示唆された。
日本家畜管理学会の論文
1984-10-27

濃厚飼料多給時における乳牛の水分出納に及ぼす環境温度の影響

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