夏季における乳生産に及ぼす産次と牛舎冷房の影響

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夏期高温時における乳生産に及ぼす産次の影響と牛舎冷房の効果を検討するために、ホルスタイン種泌乳牛8頭(初産牛4頭、経産牛(2〜5産)4頭)を用いて試験を行った。その結果、次の様な知見を得た。1)体温および呼吸数の変化は、放飼群(N群)では環境温度の変化と一致し、14時の気温が30℃を越えた8月上旬に著しく上昇・増加した。また、体温および呼吸数は初産牛より経産牛で高い傾向を示した。しかし、冷房群(A群)では、試験期間中の体温は38.6℃前後、呼吸数は40回/分前後であり、冷房の効果が認められた。2)体重当たりの乾物摂取量は、N群と比べてA群の方が多かったが、初産牛と経産牛との差は明らかではなかった。3)N群の乳量減少率は、7月下旬から大きくなった。7月上旬から9月中旬の間における減少率は、初産牛では4%、経産牛では9%であった。また、初産牛ではA群とN群の減少率にほとんど差を認めなかったが、経産牛ではA群の減少率の方が小さかった。4)N群の乳脂率の変化は初産牛と経産牛で異なる傾向にあったが、それは乳量の減少程度により影響を受けたものと思われた。5)以上の結果から、夏期における高温の乳量に対する影響は初産牛より経産牛の方が大きく、また、牛舎冷房の効果も経産牛の方が大きいものと考えられた。日本家畜管理研究会誌、28(2) : 62-70.1992.1992年2月28日受理
日本家畜管理学会の論文
1992-09-01

夏季における乳生産に及ぼす産次と牛舎冷房の影響

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