乳牛の血液型に関する研究 : VI. ホルスタイン種の卵性判定における血液型の有効性

概要

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わが国に飼養されているホルスタイン種について,卵性判定に対する血液型の有効性を知るため,有効率を求める計算式を導き,その値を算出した.有効率の計算にあたっては,すでに報告されている14システムの血液型(血球抗原,電気泳動的多型および血清グロブリンアロタイプ)の遺伝子頻度を用いた.各システムの有効率は以下の通りであた.A(0.287),B(0.515),C(0.508),F-V(0.208),J(0.217),L(0.243),S(0.371),Z(0.272),R-S(0.107),Tf(0.530),Am(0.407),CA(0.026),Ac-1(0.177),Ac-2(0.122).これらを全て組合せた場合の有効率は,0.993であった.これらの値は,同性および異性双子の血液型判定で得られた実測値とよく一致した.一卵性双子の出現頻度を同性双子の15%と仮定すると,キメラが認められず,かつ同一の血液型をもった同性双子の中で,真の一卵性の占める割合-すなわち血液型による卵性判定の信頼度-は,95%以上であることが推定された.また,血球抗原8システムによるフリーマーチン判定の有効率は,95.8%であった.
社団法人日本畜産学会の論文