ウシのBシステムの血球抗原"Gx"の遺伝的支配
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概要
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ウシのBシステムの血液型に属する抗原G2とよく類似した新たな抗原が見出され,これをGxと名付けた.G2とGxの発現を調査したところ,6品種の2,700頭余りのウシのうち,G2とGxを同時にもつもの(G2Gx型),G2のみをもつもの(G2型)およびどちらの抗原ももたないもの("-"型)の3型があり,これらの出現頻度は,それぞれ約60%,2%,38%であった.Gx抗原だけをもつものは1頭も存在しなかった.ホルスタイン種における交配成績から,G2Gx,G2,および"-"の3型が遺伝的単位であることが判明し,Gxが単独で分離したものはなかった.以上のことから,GxはG2の存在下ではじめて発現することができる亜型関係にある抗原であることが明らかになった.Gxは,抗血清の国際比較試験の成績から,G2との亜型関係が広く知られているもう一つの抗原G1とは異なるものであることが確認され,またBシステムの中に,G1-G2とともにG2-Gxという,G2を中心とする対照的な亜型関係の存在が明らかになった.調査した範囲では,G1とGxは同一のフェノグループに共存することなく,遺伝的に対立関係にあった.したがってこれらの抗原に関しては,表現型から直ちにフェノグルーピングを行う可能性が示唆された.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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