牛乳脂質の特性に関する研究 : V. 牛乳脂質のステリン
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概要
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全国22地区の1年間の牛乳脂質試料526点について,ジギトニン比色法によって総ステリン含量を測定した.その結果,平均値は270.2mg%,標準偏差は12.8mg%であった.地域的季節的変動の幅は,沃素価などのそれに比べれば小さいが,一般的傾向として,北•東日本に比べて南•西日本の値が高く,北海道を別とすれば,冬より夏に高い結果が得られた.上記の試料のうち,月1回1年間の264点についてガスクロマトグラフィーによってステリン組成を分析した.その結果,コレステリン以外に,カンペステリンとβ-シトステリンがそれぞれ平均値として0.26%と0.49%(ステリン中の割合)存在することが認められた.しかし,これらの地域的•季節的変動については明瞭な傾向を見出せなかった.これらのフィトステリンについてガスクロマトグラフイー-マススペクトル法によって,カンペステリンとβ-シトステリンであることを確認した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
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