牛乳脂質の特性に関する研究 : II. 牛乳脂質のトリグリセリド組成
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ガスクロマトグラフィーによって,全国22地区の1年間の牛乳脂質試料526点のトリグリセリド組成(分子量分布)を測定した.ガスクロマトグラムのパターンとしてC38とC50(またはC52)を最高ピークとする2つのピーク群からなることは従来の文献通りであり,これらのピークの中でC38とC50は地域•季節を通じて変動が小さく,平均値は両者とも約12%であった.一方,C36以下とC52以上は変動がきわめて大きく,C52/C36比はトリグリセリド組成の変動を代表する指標として好適と考えられる.C36とC52の年間平均値によって試料採取地区を分類すると,沃素価•けん化価により分類した6地域とほぼ一致する.C52/C36比の季節的変動は沃素価•けん化価のそれと類似して,北海道で夏に高く,冬に低いが,南に向って変動幅が小さくなり,大都市近郊ないし専業地域では常にこの値が高い.特に,大都市専業型においてはC52,C54が異常に高い値を示した.
- 社団法人 日本畜産学会の論文
著者
関連論文
- 牛乳脂質の特性に関する研究VII牛乳脂質トリグリセリドのβ位脂肪酸組成,および主要構成脂肪酸のβ位への結合比率
- 牛乳脂質の特性に関する研究 : I. 牛乳脂質の沃素価,けん化価,融点および色調
- 牛乳脂質の特性に関する研究 : IV. 牛乳脂質のトランス酸含量
- 牛乳脂質の特性に関する研究 : III. 牛乳脂質の脂肪酸組成
- 牛乳脂質の特性に関する研究 : II. 牛乳脂質のトリグリセリド組成
- 牛乳脂質の特性に関する研究 : V. 牛乳脂質のステリン
- 牛乳脂質の特性に関する研究 : VI. 牛乳脂質の特性の変動と飼養条件との関連
- 乳脂肪-バターオイル
- コンデンスミルクとアイスクリームのレオロジー
- リノール酸およびオレイン酸代謝におよぼすリノエライジン酸投与の影響(続報)
- Bifidobacterium longum M-7によるH2O2の産生とその生残性に及ぼす影響
- 日本人の人乳総アミノ酸組成および遊離アミノ酸組成
- 加熱による牛乳の物理的および化学的性質の変化
- インドフェノール法による改良窒素測定法