水素化脱硫触媒の反応後期におけるコークおよびメタルたい積分布の推算

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常圧残油を水素化脱硫触媒を用いて処理すると, 反応の終期 (End of Run = EOR) において, 目的とする脱硫率を得るために必要な温度が急激に上昇する現象が観察される。この原因は, 触媒細孔入口にメタルがたい積して, 反応物質の拡散を妨げることによると説明されている。本研究では, たい積物をコークとメタルの二つに分けて, 活性劣化に及ぼす寄与を推定するため, 細孔径の異なる3種類の触媒を用いて, 水素化脱硫反応 (HDS) を行い, 生成するコークおよびメタルのたい積パターンをEPMAで分析した。これを定量的に表すため, 細孔内にたい積するコークおよびメタルの分布を与えるモデル式を構築した。このモデル式のパラメーターとして, 触媒性状補正因子およびチイレ数 (Thiele modulus) を用いることで, コークおよびメタルの分布をシミュレーションできることを示した。このモデル式を1年間商業装置で使用した使用済触媒およびメタル含量の大きなボスカン原油によりたい積させた上記3種類の触媒の細孔閉そくに適用した。その結果, コークのチイレ数を0.01, メタルのそれを4程度とすることで, 細孔閉そくを再現できることを示した。このモデル式は触媒寿命の推定に有用であると考えられる。
2003-01-01

水素化脱硫触媒の反応後期におけるコークおよびメタルたい積分布の推算

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