運転中期における残油水素化脱硫触媒の活性劣化に及ぼすコークおよびメタルたい積の影響
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概要
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重質油の水素化処理触媒の活性劣化に及ぼすコークおよびメタルの同時たい積の影響を検討する目的で,1年間商業反応装置で使用した触媒からコークおよびメタルたい積量の異なる5種類を採取し,たい積したコークのキャラクタリゼーションと残余活性測定を行った。また,これと合わせて上記と同一新触媒による重質油の反応を行い,触媒上にコークをたい積させ,そのキャラクタリゼーションを行った。 使用済触媒の物性(表面積,細孔容積,平均細孔径)および残余活性は,コークとメタルの比容積を用いて計算したたい積物容量に対して良好な相関があった。また,コークたい積量とC/H比は比例関係にあることから,コークは反応経過時間によらず同質のコーク前駆体から形成され,これが反応器内で徐々に縮重合するメカニズムで進行することが推察された。さらに,たい積したコーク量はメタルたい積量の増加とともに減少する傾向にあり,これとともに脂肪族性炭素が芳香族性炭素より大きく減少した。商業装置から得られた使用済触媒の残余活性は,コークとメタルたい積物容積の和の増加とともに直線的に減少した。以上の結果から,反応初期の急激な活性低下の後,緩やかな劣化が進行するのは,メタルのたい積が既に蓄積したコークを排除していることが一つの要因と考えられ,コークとメタルのたい積は,独立に進行する現象でなく,互いに関連していることが分かった。Measurements of remaining hydrodesulfurization activity and physical properties of 5 catalysts with different coke and metal contents after using them year operation in commercial hydrodesulfurization operation were carried out to elucidate the interactive effect of coke and metal depositions on catalyst deactivation. The properties of the deposited coke on the used catalysts were also examined. Hydrodesulfurization of an atmospheric residue was performed over a new catalyst in the same manner as used one for of the coke properties. The physical properties, such as surface area, pore volume and mean pore diameter, and the remaining activity were correlated with the volume of deposits (coke and metal) calculated from the specific volume of coke and metal. Since the C/H ratio of deposited coke was directly proportional to the coke content, it was considered that the coke was formed from the same coke precursor that had gradually condensed and/or dehydrogenated. The coke content on the catalyst decreased with the content of the metal. At the same time, the decreasing in the aliphatic hydrocarbons in the coke was faster than that in the aromatic hydrocarbons. The remained catalytic activity of the commercially used catalysts decreased linearly with the content of the deposits. From these results, it was considered that the removal of coke with the deposition of metal had partly contributed the decreased catalyst deactivation by coke deposition during the MOR after fast deactivation during the SOR. The depositions of coke and metal on the hydrodesulfurization catalyst were mutually interacted to affect the catalyst deactivation.
- 石油学会の論文
- 2002-09-01
著者
-
甲斐 敬美
鹿児島大学大学院理工学研究科化学生命・化学工学専攻
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高橋 武重
鹿児島大学工学部応用化学工学科
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出井 一夫
コスモ石油(株)中央研究所
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高橋 武重
鹿児島大学工学部 応用化学工学科
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高橋 武重
鹿児島大学工学部
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甲斐 敬美
鹿児島大学工学部 応用化学工学科
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甲斐 敬美
鹿児島大学
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