直接脱硫装置を用いた減圧残油の前処理とRFCC原料化への検討
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概要
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直接脱硫(直脱)と残油流動接触分解装置(RFCC)を組み合わせて,減圧残油(VR)を効率的にガソリン留分へ転化するためのVR前処理および分解反応性に関する研究を行った。直脱の前処理としてスイング方式のリアクターを用いて,大細孔径のボリア-アルミナ担体にNiMoを担持した触媒を使い,水素化脱金属(HDM)を促進するのと同時にVRを軽質化することを試みた。 VR前処理触媒と直脱触媒の寿命評価を行った結果,VR前処理触媒の寿命は約半年であり,半年毎にリアクターを切り替えるスイング方式で1年以上の運転が可能であった。直脱ではVR前処理油を処理して1年間運転が可能と推定された。 VRの前処理条件による前処理油の性状変化に着目し,VRの分解反応を動力学的に整理した。さらに,前処理条件の異なる前処理油の直脱装置における反応性や直脱生成油の性状について検討した。VRを高温で前処理するほど,常圧残油(AR)に近い組成となり,直脱における反応性も向上した。一方,前処理油処理時の直脱における触媒劣化については,前処理条件によらずほぼ一定であった。VRの前処理装置と直脱装置を組み合わせて処理することで,VR転化率45% 以上を達成した。
- 社団法人石油学会の論文
- 2004-07-01
著者
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