DSCによる凍結すり身の低温切断条件に及ぼす油脂含量の影響
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概要
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水分と油脂含量の異なる凍結すり身の破壊エネルギー(破壊強度)を0℃以下の低温下で測定し,DSC測定の結果と比較することで,凍結魚肉の低温切断加工の最適温度条件をDSC測定の結果から推定した.水分60〜80%,油脂(タラ油)含量1〜20%の凍結すり身を低温下で3点曲げ試験を行い,破壊エネルギーを測定した.その結果,試験片は−40℃で凍結していたが,低温切断は−80℃以下の温度で可能となった.DSC測定の結果,添加したタラ油の融解開始温度は,切断可能温度である−80℃より高温側にあった.このようにタラ油を含んだすり身は,タラ油の融解開始温度以下で切断が可能であり,その融解開始温度はDSCにより測定が可能であった.切断可能温度(温度A)以下での曲げ破壊エネルギーの急速な低下すなわち脆化は,今回測定したサンプルでは確認できなかった.これらのサンプルのDSC測定では,ガラス転移様の変化が現れておらず,タラ油の融解温度範囲が水-すり身系でのガラス転移温度範囲と重なっていたことから,すり身に添加したタラ油が低温での脆化を抑制したことが示された.これらの結果から,油脂を含む凍結すり身の低温での破壊挙動並びに低温切断に適切な凍結温度条件は,試料のDSC測定結果から予測可能であり,それは−80℃以下に存在した.
- 日本食品科学工学会の論文
- 2006-01-15
著者
-
鈴木 寛一
広島大学大学院生物圏科学研究科
-
岡本 清
広島大学 大学院生物圏科学研究科
-
鈴木 寛一
広島大学生物生産学部
-
鈴木 寛一
広島大 大学院生物圏科学研究科
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羽倉 義雄
広島大学生物生産学部
-
岡本 清
広島大学生物生産学部
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