十勝岳の全磁力変化と蓄熱過程(2008 - 2009年)
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概要
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We report the recent results of geomagnetic repeat surveys aiming for the detection of subsurface thermal changes at Tokachidake volcano, central Hokkaido, northern Japan. We conducted the first survey in October, 2008. The same pegs and marks were reoccupied in July and September, 2009. During this period a clear dipolar pattern of magnetic changes was detected around the 62-II crater, the present main vent of Tokachidake. This change is quite consistent with the pattern due to a demagnetized sphere placed at a depth of 150 m(1,600 m a.s.l.)beneath the 62-II crater. The change of magnetic moment amounts to 1 - 2×106 Am2. The maximum magnetic change is about 35 nT, overwhelming the errors due to extra-terrestrial changes, secular changes, or seasonal variations. The most likely explanation of this demagnetization is the thermomagnetic effect due to heating beneath the crater. Considering the moderate fumarolic temperature in the 62-II crater, the thermal demagnetization is not caused directly by magma intrusion. We here propose a model that water vapor supplied from depths is releasing latent heat through condensation at the source depth. The heating rate corresponding to the observed magnetic changes is an order of 10 MW. A more speculative suggestion is that water vapor of 107~108 kg/yr is required to realize this heating rate. Considering the fact that fumarolic activity of 62-II crater has somewhat declined since 2006, the ongoing demagnetization may be attributed to the decrease of heat discharge rate from the crater. If this is the case, elevation of heat supply from depths is not necessarily required.
- 2010-03-19
著者
-
重野 伸昭
札幌管区気象台
-
岡崎 紀俊
北海道地質研
-
茂木 透
北大 大学院理学研究院
-
岡崎 紀俊
北海道立総合研究機構地質研究所
-
山本 輝明
札幌管区気象台
-
橋本 武志
北海道大学
-
橋本 武志
北海道大学大学院理学研究院付属地震火山研究観測センター
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