生活の場で見るメンタルヘルス(1) -地域社会での事例を通してー
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
自己が生活の場においてより良く生き,他者がその「より良き生」の実現のために関わり援助する行為の総体をメンタルヘルスと考え,今回は地域社会のメンタルヘルスについて論じた。精神障害を持ちながら地域で生活する3事例を取り上げ,それぞれが事例として浮かびあがってきた過程と経過,現状と問題点を整理し,地域で生活することの可能性とその限界について検討した。事例1では地域住民が心配して事例として浮かび上がってきた。近隣から危険視されてはいないので地域の中で生活を続けることはそれほど困難なことではなかった。問題は今後の生活支援者であった。事例2では地域住民の警戒心,危険視のために事例として浮かび上がってきた。そして地域で生活していくには病院との連携,福祉的援助並びに地域住民の理解が必要であった。事例3では家族の不安・心配のために事例として浮かび上がってきた。本人には病識はない。しかし生活状態,精神状態いずれにおいても破綻の可能性が十分に予測され,早期対応可能なネットワーク作りがこの事例のメンタルヘルス活動の中心であった。事例として上がってきた過程は異なるが,いずれの事例においても基本的には地域での生活が「より良い生」の実現につながると考えた。さらに入院を極度に嫌がる統合失調圏の3例を補足して地域での自由な生活を支えるためには地域社会のメンタルヘルス活動体制の確立が早急に望まれることを指摘した。We have practiced mental health activity in some communities of Wakayama Prefecture since 2001. Three cases who have lived in a community while owning psychiatric disturbance were showed. Their life history, process that became handle as a case, present mental state, problems in living were presented. Case 1, 50 years old man, was handled as a case by the neighbors' anxiety. They worried about his mental condition without regarding him as dangerous. He is a schizophrenics. His father has supported his life. His problem in living is a lack of supporters for his father. Case 2, 53 years old man, was handled as a case by neighbors' wariness. They regarded him as very dangerous. He is a schizophrenic patient, too. Cooperation with a psychiatric hospital, supporters of his everyday life and understanding of neighbors are necessary so that he lives in a community. Case 3, 40 years old woman, was handled as a case by her families' anxiety. She is always dressed very strange. She has fear to turn worse mentally enough. It is important that we prevent aggravation of her mental state. We discussed an ideal method of mental health activity in a community through these three cases.
- 2007-02-28
著者
-
朝井 均
大阪教育大学 保健管理センター
-
朝井 均
保健センター
-
坂口 守男
和歌山県立医科大学 保健看護学部
-
朝井 均
大阪教育大学保健センター
-
朝井 均
大阪教育大学
-
朝井 均
羽衣国際大学
-
大家 尚文
坂根病院
-
弓庭 喜美子
和歌山県立医科大学 看護短大
-
朝井 忠
ももたにクリニック
-
弓庭 喜美子
かつらぎ町花園支所
-
朝井 知
南山城学園診療所
-
朝井 栄
アサイ神経クリニック
関連論文
- Transient Elastometry による肝線維化ステージと累積肝発癌の評価
- 地域在住高齢者のバウムテスト(IV) : 非認知症群における年齢間の比較
- 地域在住高齢者のバウムテスト(III) : 高齢者の精神症状とバウムテスト
- 地域在住高齢者のバウムテスト(II) : 長寿者のバウムテストの追跡調査
- 地域在住高齢者のバウムテスト
- 公開講座「楽しいダイエット教室」開催の試み : 第7報:過去8年間における腹部超音波異常所見出現頻度
- 市民ランナーの安全なジョギングに関する研究(第2報) : HRモニターを用いたトレーニングの効果
- 医療と社会規範(第6報)ヒポクラテスの誓い
- 市民ランナーの安全なジョギングに関する研究 : - ATとジョギング・ペース -
- 減量教室受講後のメタボリックシンドローム診断基準値の変化と中高年女性の食生活との関連性
- 肥満傾向を示す中高年女性の減量におよぼす要因の検討 : 食生活を中心として
- 超音波骨評価装置での高校生における骨評価計測値に関する調査研究 : 運動及び食生活との関連性について
- 公開講座「楽しいダイエット教室」開催の試み : 食生活・栄養学的な観点からの検討(2)
- 超音波骨評価装置による若年齢層(大学生)での骨評価集団検診 : その1 超音波骨評価計測値と食生活,嗜好,生活スタイルとの関連性について
- 性教育における日独比較検討
- エラストグラフィーを用いたNAFLDの肝線維化ステージ評価
- Fibrocan502 を用いたC型慢性肝炎の肝線維化ステージ評価
- C型慢性肝炎のIFN治療効果予測における Spleen Index の有用性
- 超音波造影検査における腫瘍染影度と肝細胞癌の組織学的分化度との関連性についての検討
- 上腹部スクリーニングにおける肝Accessory Fissureの描出 : 描出頻度と局在部位分類の試み
- 医療と社会規範(第III報) : 着床前診断をめぐって
- UPIでみた学生のメンタリティに関する検討
- 大教大生と社会人における喫煙の状況と認識に関する比較検討
- 大教大の学生生活における健康調査 III : 喫煙の状況と認識に関する実態について
- 大教大の学生生活における健康調査 II : 女子学生での月経の実態について
- 大教大の学生生活における健康調査 I : 日常生活の実態について
- Jog Mate Protein (高蛋白食品) 投与の身体組成,体力,自覚症状などに及ぼす効果に関する研究 : バドミントン部員における3ヶ月間での効果判定
- 超音波遠隔診断システムTele-USによる超音波画像診断(第3報) : ネットワーク経由での教育応用の検討
- 超音波遠隔診断システムTele-USによる超音波画像診断(第2報) : インターネット画像配信時の帯域変動への対応
- 超音波診断支援ソフトウェアWebAtlasに関する基礎的検討
- 超音波遠隔診断システムTele-USによる超音波画像診断 : インターネット経由での画像配信と遠隔制御
- 肥満学生に対するライフスタイル改善指導の試み--非フォロー学生群との比較検討
- 体脂肪率測定における日内変動に関する研究
- 子宮頸癌検診の年齢別構成について
- YG性格検査でみた過食を呈する学生のプロフィール
- 体脂肪率の超音波骨評価計測値の運動負荷前後における変動に関する研究
- ポータブルタイプ超音波診断装置(SDU-350XL)による頸動脈径並びに頸動脈壁厚計測の試み
- 超音波骨評価装置(AOS-100)による両側踵骨での骨評価計測値に関する比較検討
- 公開講座「楽しいダイエット教室」開催の試み : 第6報 : 公開講座開始前における過去4年間でのメディカルチェック(血圧,心電図,血液検査,腹部超音波検査)のまとめ
- BIA法による体脂肪率の食事(昼食)接取負荷前後の変動に関する研究
- 高周波プローブ使用での超音波診断装置(SDU-350XL)による腹壁皮下脂肪厚並びに復直筋厚の計測 : BIA法による身体組成計測値との比較検討
- 公開講座「楽しいダイエット教室」開催の試み : 第5報 : ダイエットシューズの身体組成並びに骨評価計測値に及ぼす影響に関する検討
- BODYSONICのリラキセーション効果に関する検討
- 超音波骨評価装置による大教大生での骨評価に関する研究 : 生活スタイル,運動歴に関するアンケート調査との比較検討
- 身体組成評価における簡易式BIA法の両足法(TBF-401)と両手法(HBF-302)による計測値の比較検討
- 公開講座「楽しいダイエット教室」開催の試み : 第4報 : BOD POD による体脂肪率(量)の減量効果判定並びに1日の歩数との関連性に関する検討
- 高精度体脂肪測定装置(BOD POD)による身体組成測定 : その4 : 超音波骨評価計測値との相関性
- 公開講座「楽しいダイエット教室」開催の試み : 第3報 : 受講者における身体組成の計測
- 大阪教育大学における婦人科相談の現況 : 無月経について
- 大阪教育大学における婦人科相談の現況 : 月経困難症と血中CA125について
- 思春期後期における Premenstrual syndrome と Perimenstrual syndrome の検討
- 大阪教育大学における婦人科相談の現況 : 月経痛に関するアンケートについて
- 大阪教育大学における婦人科相談の現況 : 月経に関するアンケートについて
- 大阪教育大学における婦人科相談の現況 : ***の形態異常に起因する月経困難症を中心として
- 大阪教育大学における婦人科相談の現況 : 月経困難症を中心として
- 大阪教育大学における婦人科相談の現況 : -月経異常を中心として-
- 橈骨DXA法による骨密度測定に関する研究(第3報) : 骨粗鬆症患者における外傷性椎体圧迫骨折症例の検討
- 橈骨超音波骨密度測定装置(オムニセンス)による骨密度計測の試み--踵骨超音波骨密度測定装置における骨密度計測値との比較検討
- 生活の場で見るメンタルヘルス(3)適応困難学生からの検討
- 生活の場でみるメンタルヘルス(2)過疎地域の老人の生活を通して
- 生活の場で見るメンタルヘルス(1)地域社会での事例を通して
- 医療と社会規範(第V報) : 社会的とは
- 和歌山県下にある過疎村における地域保健活動 : 2003,2004年度の定期健康診断成績について
- 和歌山県下にある過疎村における地域保健活動 : ウイルス性慢性肝障害の実態
- 武満徹の音楽作品と現代の社会病理-"エクリプス"
- 医療と社会規範(第IV報) : 代理出産をめぐって
- 和歌山県下にある過疎村における地域保健活動 : 2003,2004年度のがん検診の実態
- 色の変化を利用したチューインガムによる日中の中学生における咀嚼能力測定
- 肢体不自由養護学校における超音波骨評価計測値に関する調査研究 : 身体障害・食事等生活習慣との関連性について
- 市民ランナーにおけるAT判定に関する研究
- 紀伊半島過疎山間部における独居老人の生活状況と精神的諸問題
- 気温・湿度の違いが有酸素運動に及ぼす影響
- 高校生における身体組成(体脂肪率)の経時的測定に関する研究 : 運動負荷及び水分摂取前後における比較検討
- ダイエット教室を受講した肥満傾向を示す女性の減量に影響する因子の検討
- 肥満傾向にある中高年女性に対するダイエット教室の効果(2) : 食行動の改善と栄養素摂取状況
- 大学女子中長距離選手の栄養状態 : 第II報 : 鉄欠乏症改善のための食品構成
- 肥満傾向にある中高年女性に対するダイエット教室の効果 : 栄養素摂取状況から
- 大学女子中長距離選手の栄養状態と食行動について 第I報 : 中長距離選手と一般女子学生の現状の相違点
- Fibrocan502 を用いたC型慢性肝炎の肝線維化ステージ評価
- C型慢性肝炎のIFN治療効果予測における Spleen Index の有用性
- 13. Treadmill exerciseにおけるall out running前後の脾超音波像の変化について : 第1回日本体力医学会近畿地方会
- 12. 幼児の心拍数からみた日常生活の運動量に関する研究 : 第1回日本体力医学会近畿地方会
- 超音波検査にて診断し得なかった巨大膀胱憩室の1例
- 高精度体脂肪測定装置(BOD POD)による身体組成測定 : その2 : 水中体重秤量法との比較検討
- 高精度体脂肪測定装置(BOD POD)による身体組成測定 : その3 : BMI計測値との比較検討
- 超音波骨評価装置(AOS-100)による若年齢層(小学生・中学生・高校生)での骨評価計測値に関する研究 : 健常児と身体障害児における比較検討
- 大阪教育大学学生の整形外科外来受診状況 : 外来受診のアンケートについて
- 高精度体脂肪測定装置(BOD POD)による身体組成測定 : その1 : インピーダンス法との比較検討
- 橈骨DXA法による骨密度に関する研究(第5報) : 整形外科外来通院患者3800症例による検討
- 超音波骨評価装置による若年齢層(大学生)での骨評価集団検診 : その2 超音波骨評価計測値と運動歴との関連性について
- 超音波骨評価装置(AOS100)による若年齢層(大学生)での骨評価に関する研究 : 大学生と教職員における比較検討
- 踵骨超音波計測値と橈骨DXA法による骨密度との比較検討
- 橈骨DXAによる骨粗鬆症の縦断的検討(第2報) : 治療方法,服用状況による治療効果判定に関する研究
- 整形外科通院患者での橈骨DEXAによる骨密度測定に関する研究
- 和歌山県下にある過疎村における地域保健活動 : 腹部超音波集検の試み
- 腹部超音波診断ファントムの開発 : 腹部超音波トレーニングモデルセット(EOU型)の超音波画像
- 超音波骨評価装置(AOS100)による若年齢層(中学生,高校生)での骨評価計測値に関する研究 : 加齢,運動習慣との関連性について
- 医療と社会規範(第II報) : 倫理についての再考
- 医療と社会規範(第I報) : 医療行為の法的側面
- PTSD研究における「ストレッサー」と「外傷」についての検討(第II報)