医療と社会規範(第III報) : 着床前診断をめぐって

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概要

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今まで本稿では、医療の法的側面、社会規範の必要性、『倫理』概念の混乱、法と倫理の異同、医療倫理での『倫理』等について議論した。今回は所詮医療倫理とされる着床前診断をめぐる問題を取り上げる。医療倫理に関する議論の際、『倫理』概念に混乱が見られたり、ある問題に対して次元の異なる立場で意見が闘わされたりし、無益な論争も見られる。何を『正』や『善』と見做すかは優れて規範的(価値論的)な問題であり、異なった次元でそれらを議論しても噛み合わない。しかし、噛み合わないまま時が過ぎ去る間に倫理の名の下でなし崩し的に既成事実が積み重なっているという現実がある。
2005-09-30

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