肥満傾向を示す中高年女性の減量におよぼす要因の検討 : 食生活を中心として

概要

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我々は一般市民対象の「ダイエット教室」を開講し,医学,栄養学,体育学的アプローチを3ヶ月間行っている。地域に根ざした公開講座の中での効果的な指導法の確立を目指して,平成10〜16年の受講者のうち体格,体組成,血液性状,食事調査,食行動のデータがある女性82名を対象とし,体重減少率が平均値5.4%以上の者を有効群(n=40), 5.4%未満の者を非有効群(n=42)として比較検討した。有効群は初体重が有意に高かった。受講後は有効群が体脂肪率,TG,血糖が有意に減少しており理想的な減量ができた。受講前は食行動,食事摂取状況はほとんど差がみられなかったが,受講後の食行動は有効群が7因子全て改善しており「満腹感覚のズレ」や「食べ方」に関するクセやズレを特に大きく改善していた。一方,非有効群における改善は1因子だけであった。食事摂取状況は受講後には有効群はエネルギー,標準体重あたりのエネルギー(有効群27.3kcal/kg,非有効群31.3kcal/kg),標準体重あたりのタンパク質摂取量が非有効群より有意に低値であった。有効群は油脂類,動物性食品を減少させることによって,受講後の脂質や動物性脂肪量,動物性タンパク質比が非有効群より有意に低値であり,いも類,きのこ類,緑黄色野菜を増加させ,食物繊維や植物性のビタミン・ミネラルを増加させたと考えられる。このように食行動のクセやズレを修正し,食事内容を改善することを減量指導のポイントとすることが重要であることが示唆された。
2005-09-30

肥満傾向を示す中高年女性の減量におよぼす要因の検討 : 食生活を中心として

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