地域在住高齢者のバウムテスト(II) : 長寿者のバウムテストの追跡調査

概要

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80歳以上の地域在住高齢者にバウムテストを施行し、一年以上後に追跡調査した15例について報告した。HDS-Rと対比させながらバウムテストと知的精神機能レベルとの関連性について検討を試みた。対象者全員にHDS-Rスコアーがいずれも21点以上のものをA群、追跡時は20点以下のものをB群、初回時、追跡時いずれも20点以下のものをC群として3群に分類した。A群の7例中4例のバウムは初回時も追跡時も普通もしくは大きいサイズで形態は良好であった。一方、7例中3例には変化が認められ、1例はHDS-Rスコアーが改善したケースで、バウムのサイズが大きくなり形態も良好になった。2例のバウムは初回から小さいサイズで形態も不良であったが、追跡時には形態はさらに不良になっていた。B群の3例のバウムはいずれも初回時も追跡時も形態不良であったが著変は認められなかった。C群の5例中3例は追跡時のHDS-Rスコアーの変化が小さく、痴呆はそれほど進行していないと考えられたが、加齢とともに形態の崩れが強くなり、簡略化される傾向が明らかであった。C群の2例は追跡時のHDS-Rスコアーの低下が大きく、痴呆がかなり進行していると判断された。この2例とも初回時からバウムのサイズが非常に小さく、形態の崩れが顕著であったが、1例は経過とともにさらにこの傾向が顕著になり、別の1例あまり変化が認められなかった。これらの結果に基づいてバウムテストの各種指標とHDS-Rの変化を検討したところ、バウムテストの使用として「形態不良」のみが初回時と追跡時の変化をある程度捉えることができたが、そのほかの指標では変化を明確に捉えることはできなかった。最後に初回時と追跡時のHDS-Rの変化とバウムテストの変化を検討することによって高齢者に対するバウムテストの有効性を検討した。
2005-09-30

地域在住高齢者のバウムテスト(II) : 長寿者のバウムテストの追跡調査

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