腹部超音波診断ファントムの開発 : 腹部超音波トレーニングモデルセット(EOU型)の超音波画像

概要

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最近の医療現場では、超音波(US)検査を抜きにして、日常の臨床診断は語ることはできない。したがって、第一線の医療機関のみならず大学病院などの規模の大きい医療機関においても、US診断は必須の画像診断の地位を築いているのが現状である。しかしながら、患者の人権やプライバシーなどが大きな社会問題となっていることから、US診断技術習得の場が限定されてきているのも実情であろう。このような状況下にて、このたび腹部超音波検査トレーニング用のファントム(トレーニング用モデルセット)が世界で始めて開発されたことは大いに意義があると思われる。今回我々は、この「腹部超音波トレーニングモデルセット(EOU)」を使用経験した結果、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓など上腹部の重要臓器はすべて明瞭に描出することが可能であった。また、大動脈、下大動脈、門脈、肝静脈はもとより、肝内門脈枝や上腸間膜動静脈などの脈管なども一応描出することができた。以上の事実は、この超音波セットファントムが腹部超音波検査トレーニング用のモデルセットとして使用することが可能であることを示すものと思われる。
大阪教育大学の論文
2005-09-30