日本語を第二言語とする書き手の文章産出過程研究の枠組みの提案
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概要
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1970 年代前半から第一言語による作文の研究の焦点は「書いたもの(成果物)」から「書く過程」へと移行してきた。この研究の焦点の移行には,効率的な書き手と非効率的な書き手の文章産出過程における特徴の差や書き上げた文章に見られる問題点が文章産出過程のどの段階でいかに生じたかを観察する方が効果的な指導方法を確立できるという考え方がある。日本語を第二言語とする書き手の作文研究の焦点も1990 年代初頭から第一言語による文章産出過程研究の知見に基づき,「書く過程」へと移行してきた。しかし,これらの研究の間には共通の枠組みが存在しないために,個々の研究者が行っている研究結果を比較,検証できないという問題点がある。そこで,本研究では,文章産出過程の構成概念とそれに影響を与える要因を定義し,その応用の可能性を検討することとする。Since the early 1970s, the focus of first language composition research has begun to shift from the written product to the writing process. Behind this shift, there was an assumption that analysis of the writing process is more suggsetive than analysis of the written product for revealing differences between effective and ineffective writers, and for detecting the causes of problems that are observed in written text. From the early 1990s, composition research in Japanese as a second language has also begun to look at what is known about writing process from L1 compostion research. However the findings of those studies can not be compared with each other because of differences in the framework used. In present study, the author will define the constituent conception of the writing process and the factors that influence it. The validity of the framework will also be examined.
- 筑波大学留学生センターの論文
- 2000-02-20
著者
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