<研究論文>文型・文法クラスの支援活動としての作文コースの在り方の検討
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概要
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筑波大学留学生センターの日本語補講コース作文1 は、1999 年度より、文型・文法1 のタスク・シラバスに沿ってコースをデザインしている。このコースは、第一に文型1 で紹介された文型・文法項目の適切な運用能力を身につけること、第二に目標とする言語活動を達成するために必要十分な内容を表現することを目的としている。適切な運用能力を身につけるために、教師は誤用を類型化し、それを学習者に提示して、学習者同士の議論によって、自律的に修正を行わせるという方法をとった。また、言語活動を達成するために必要十分な内容を表現させるために、内容的に説明が不十分な部分には、その内容を引き出すような課題文を付け加え、その解答を学習者同士の話し合いを通して考え、それをもとに、内容的な推敲を行うという方法を採った。分析の結果から、これらの活動によって、文法的な間違いに減少は見られなかったが、初稿には見られなかった内容が多く付け加えられていることが示された。 The syllabus of the composition 1 class at University of Tsukuba Japanese language program was redesigned in accordance with the task-based Grammar 1 syllabus in 1999 . The purpose of this class is to consolidate material that was introduced in Grammar 1 and to provide to be achieved sufficient content for accomplishing the language tasks. For errors the teacher collected and categorized from writings submitted by the learners before class. In the class, learners discussed with their peers how to correct the errors which collected by the teachers and edited their own writings. In order to create sufficient content for the accomplishment of the language tasks, the teacher added leading questions to parts which lacked sufficiency to explanation. In class, the learners tried to find the answers to the leading questions through peer discussion and revised their own writing based on the result of the discussion. The result showed that the error rate had not decreased significantly but content that did not appear in their first drafts was added.
- 筑波大学留学生センターの論文
- 2001-02-23
著者
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