三次元実物体とその二次元画像に対する大きさ知覚の違い(視覚)

概要

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実物体の知覚的大きさと,写真やビデオ映像などにおけるその物体の二次元像の知覚的大きさが異なることが経験的に知られている.しかしこの現象が,刺激のどのような要素と関連があるのか,またなぜ生じるのかについては明らかであるとは言えない.そもそもこの現象は,実物体とその二次元画像を観察する際の観察条件などの違いによるアーティファクトの可能性も考えられる.そこで本研究では,頭部の三次元模型及び単純な凹凸形状をもつ三次元実物体とそれらの写真画像の知覚的大きさの比較実験により,この現象を定量的に記述し,その原因を明らかにすることを目的とした.実験の結果,頭部模型の二次元画像は実物体より数パーセント程度横に広がって知覚されることが示された.また,単純な物体についても,実物体に対する二次元画像の知覚的大きさの拡大が見られ,その拡大の方向は,対象物体の奥行きに変化がある方向に沿っていることが明らかになった.この現象における,実物体を観察する際に左右眼像に生じる単眼領域の影響,及び実物体とその二次元画像を観察する際の知覚的奥行きの違いによる影響を考察した.
2014-01-01