視空間環境における傾きの分布と傾き知覚の異方性

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概要

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視空間環境に分布する傾きは、例えば下方視野で地面など水平な傾きが多いなど、位置により不均一である。本研究では、知覚される傾きの上下異方性を明らかにし視環境との関連を調べることを目的とした。実験では、アナグリフ赤青立体視を用いて奥行き方向に傾いた線分を観察者に対して上方,中央そして下方の位置に呈示し、頭部に対する眼球位置を一定にした状態で,頭部を上下に傾ける場合において、知覚される線分の傾きのバイアスと応答時間を測定した。結果から,物理的には上が手前に傾いた線分を主観的に前額平行の傾きと知覚している傾向が見られた.また,前額平行に対しに対し「上が奥」の傾きへの応答時間が短い傾向がわずかに見られた.このことから,視野下方においては地面や床など水平方向に対応する傾きを知覚するのに有利に,また上方においては壁などの垂直面に対応する傾きを知覚するのに有利にはたらくバイアスが存在する可能性が考えられる.
2007-11-29

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