心拍率自己制御に及ぼすイメージの評価要因と反応命題方向づけ教示の効果(原著)
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概要
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本研究では,セマソティックディファレンシャル法(SD法)によって肯定的一否定的と評価されたイメージの想起内容,および反応命題へ方向づけられたイメージを想起させるための教示のそれぞれが,イメージをストラテジーとする心拍率の自己制御にどのような効果を及ぼしているかにっいて検討が加えられた。イメージ能力が中程度である大学生32名が実験に参加し,イメージの評価要因(肯定的一否定的)と,反応命題へ方向づける教示の有無の2つの要因から構成された4っの群に割り当てられた。被験者は各1分間の心拍率制御課題に計6回参加し,イメージ想起によって心拍率を減少するよう求められた。本研究の結果,(1)肯定的なイメージ内容の評価要因は,主観的な安静感の形成にのみ効果を持っ,(2)反応命題へ方向づける教示は,心拍率減少にのみ効果を持つ,(3)反応命題へ方向づける教示の効果は,初期のセッションにおいてより顕著である,という点が明らかにされた。以上の結果に関して,臨床場面で不安などの情動反応に働きかける技法の中で用いられるイメージの役割とその提示方法という点から考察された。
- 日本行動療法学会の論文
- 1992-09-30
著者
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