全入院患者の中で摂食・嚥下機能に問題を有している患者の実態 : 「摂食嚥下リスク評価尺度(改訂版)」を用いて
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概要
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当院では嚥下障害と診断されない患者でも、原疾患に起因する嚥下障害、加齢や廃用、薬剤などにおる嚥下障害を持つ患者が存在することが予測された。嚥下に何らかの問題を持つ入院患者の実態を把握することを目的とし、基礎データを得るために自記式質問紙である「嚥下障害リスク評価尺度(改訂版)」を用いてスクリーニングを実施した。平成22年4月から平成24年9月の間に入院した全患者の686名のうち嚥下障害リスク評価尺度が6点以上であった患者は248名で、スクリーニングで抽出した患者は、経口摂取している全入院患者の4割であった。基礎疾患の内訳では、脳血管疾患患者が110例、神経・筋疾患患者が40例、整形外科疾患患者が62例、その他36名であった。最も多かった年代は70代で77名(31%)、次いで60代で62名(25%)であった。整形外科疾患患者の平均年齢は73.7歳と最も多く、脳血管疾患患者や神経・筋疾患患者の平均年齢より10歳以上高かった。疾患からは予測しにくい整形外科疾患患者は25%を占めていた。加齢の影響による歯牙の問題と口腔乾燥が考えれる嚥下障害と予想された。「嚥下障害リスク評価尺度(改訂版)」を用いることは、診断名から嚥下障害の予測がつきにくい患者を抽出出来る可能性があることが示唆された。
- 2013-00-00
著者
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市村 久美子
茨城県立医療大学 保健医療学部
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関 友美
茨城県立医療大学付属病院 看護部3Aユニット
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星出 てい子
茨城県立医療大学看護学科
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関 友美
茨城県立医療大学付属病院看護部2Aユニット
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白坂 誉子
前茨城県立医療大学
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本村 美和
茨城県立医療大学看護学科
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