看護師の口腔ケアへの意識を高める勉強会の効果についての検討
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概要
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当院は全介助から軽介助レベルの患者に対して口腔ケアを実施しているが、口腔内汚染や口臭を認める患者が少なくない。そのため、口腔ケアの必要性や重要性の理解、効果的な口腔ケア技術等について何らかの不足があるのではないかと考え、口腔ケアの勉強会を同内容で3回開催し、勉強会の前後で口腔ケアに対する意識調査を行った。結果、口腔ケアの重要性や効果に対する認識は勉強会前から高かったが、勉強会後には清潔援助における優先度が高くなり、口腔ケアの重要性を再認識したことがうかがえた。また、勉強会後には口腔ケアの実施回数が増加し、特に誤嚥性肺炎などの感染予防にい重要な就寝前の口腔ケアの実施が増えたことから、口腔ケアの効果に対する理解が深まったことで、看護師が口腔ケアの実施回数や実施時期を変える動機づけとなったと考えられる。その一方で、半数以上が口腔ケアを十分に行えていないと感じ、「知識・技術不足」「自信がない」「十分な時間がない」等の理由を挙げ、口腔ケアの実施に対する満足度は高いとはいえなかった。今後の課題として、口腔ケアに関する知識や技術、実施している口腔ケアの効果を勉強会後も定期的に確認・評価することが重要であること、個々の看護師の意識を高めるだけでなく、看護チームや病棟全体の意識を高められるような働きかけが必要であることが示唆された。
- 茨城県立医療大学の論文
- 2010-00-00
著者
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鈴木 八千代
茨城県立医療大学付属病院 看護部
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関 友美
茨城県立医療大学付属病院 看護部3Aユニット
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白坂 誉子
茨城県立医療大学
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白坂 誉子
茨城県立医療大学看護学科
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星出 てい子
茨城県立医療大学看護学科
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津留崎 誠
茨城県立医療大学附属病院看護部2Aユニット
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稲野辺 麻衣
茨城県立医療大学附属病院看護部2Aユニット
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関 友美
茨城県立医療大学付属病院看護部2Aユニット
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関 友美
茨城県立医療大学附属病院看護部2Aユニット
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