月・惑星探査データ表示・解析システム「WISE-CAPS」(宇宙科学情報解析論文誌第二号)

概要

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現在,月・惑星探査によって得られるデータは激増の一途をたどっている.これらのデータを研究に利用していく際,従来のようなデスクトップ中心の方法には限界があると考えられる.ネットワークを指向し,ユーザ (研究者)が扱いやすいシステムとして,ウェブ GISを基盤とした月・惑星探査の閲覧・共有・解析システムが考えられる.我々は現在,そのようなシステムとして,会津大学内にWISE-CAPS (Web-based Integrated Secure Environment for Collaborative Analysis of Planetary Science)というシステムを構築している.本システムはウェブサーバとデータベースサーバ,そして新規実装試験用サーバの3台のサーバから構成され,バックエンドには12TBの巨大ディスクを装着し,大容量データに対応している.最新の技術を利用するためとシステム構築の費用を抑えることを目的として,システムは基盤からアプリケーションソフトウェアまですべてをオープンソースソフトウェアで構築している.ベースとなっているデータはアメリカの月探査機クレメンタインのデータであるが,その上に一部日本の月探査機「かぐや」によって得られたデータも搭載している.また,本システムの特徴として,ユーザ管理機能を備えているということがある.これにより,データを一部のユーザだけに公開したり,グループを構成してその中だけで扱うこともできるようになっている.WISE-CAPSはさらに最近になり,いくつかの新しい機能が搭載された.例えば,データをウェブブラウザから登録する機能,「かぐや」の月撮像分光機器 (LISM)のデータ統合表示システムである.このように,WISE-CAPSでは月・惑星探査データの解析に特化したユニークな機能を提供し,利用者の益を図ると共に,より強力な機能を装備し,最終的にネットワーク上の「仮想研究室」となることを目指している.
2013-03-00

月・惑星探査データ表示・解析システム「WISE-CAPS」(宇宙科学情報解析論文誌第二号)

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