移乗介助動作による要介護者・介護者の負担軽減に関する研究 : 寝たまま楽に移乗できる介護用可変スライドボードの有効性
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概要
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介護職の職業性腰痛の有訴率は最も高率であり,前屈などの不自然な作業姿勢や重量物の持ち上げなどの筋骨格障害が原因とされている.介護福祉現場では人による持ち上げ介助か中心であり,福祉用具の活用が遅れている.そこで,筆者らは臥床者をリクライニング車椅子へ簡易に移乗できる移乗用具(介護用可変スライドボード)を試作し,バスタオルを用いて2人で持ち上げて移乗介助する方法との筋活動量を比較した.その結果,左右脊柱起立筋,左右大腿直筋,左右誹腹筋では有意差が認められ,開発したボードを活用することにより,移乗介助動作時の腰部負担軽減に有効であることがわかった.また,実際に介護福祉現場でモニタリングしたところ,要介護者・介護者双方ともに安全で快適な移乗が可能となることを明らかにした.今後はさらに形状面や使用方法を工夫し,開発したボードの普及・啓蒙活動に努め,次世代の介護労働環境の改善に寄与したいと考える.
- 2010-04-01
著者
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壬生 尚美
中部学院大学
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後藤 真澄
中部学院大学
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寺嶋 正己
中部学院大学
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今井 七重
平成医療短期大学
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壬生 尚美
中部学院大学短期大学部
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佐分 行子
中部学院大学
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浅野 恵美
中部学院大学短期大学部
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