女性介護職員における介護動作と腰部負担感

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本調査は,特養の女性介護職員を対象に,おむつ交換,トイレ介助,寝浴介助,いす浴介助における各動作の腰部負担感を1〜5点で評価し,介護職歴,年齢,腰痛の有無,仕事に対する自信,腰部保護ベルトの装着の有無と関連づけて腰部負担感の相違について検討した.調査対象数は245人(有効回答数)であり,調査は無記名自己記述式で質問紙法によって実施した.調査結果は以下のようになった.(1)腰部負担感の強い動作(平均4点以上)は,車いすに座らせる動作やベッドからストレッチャーに移乗する動作,車いすからシャワーいすに移乗する動作,ベッド上の体位変換動作であり,おもに前屈姿勢が強く,重量負荷のかかる動作であった.(2)トイレ介助・寝浴介助の動作においては,30〜49歳が他の年齢層より腰部負担感を強く感じていた.(3)介護職歴の長いほうが多くの介護動作において腰部負担感を強く訴える傾向がみられた.(4)いす浴の介護動作においては,介護職歴の短いほう(4年以下)が長い介護職歴の者より負担感が有意に低かった.(5)仕事に対する自信は腰部負担感に関係していなかった.(6)体位変換動作やストレッチャーからベッドへの移乗動作においては腰部保護ベルトを装着している者のほうがそうでない者より有意に腰部負担感が強かった.(7)腰痛のある者のほうが腰痛のない者より腰部負担感が強い傾向を示した.今回の分析により,腰部負担感の大きい動作が明らかになり,また同じ動作でも年齢や介護職歴,腰痛の有無,腰部保護ベルトの装着の有無などによって,腰部負担感に違いが生じることが明らかになった.
日本介護福祉学会の論文
1999-10-01

女性介護職員における介護動作と腰部負担感

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