P388 Leukemia担腫マウスに対する牡蠣抽出物の抗腫瘍作用の検討

概要

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かき肉エキスは牡蠣から抽出されたもので,亜鉛,タウリン,グリコーゲンなどを豊富に含んでおり,これまでに様々な生理活性が報告されている。かき肉エキスの腫瘍細胞に対する影響を,P388 leukemia細胞を移植したマウスを用いて調べた。かき肉エキスは熱水で抽出されたもの(検体A)と,それをエタノールで高分子画分(検体B)と低分子画分(検体C)に分離したものを用いた。さらに高分子画分に低分子画分を30%(検体D)および60%(検体E)の割合で混合したものも作成した。おのおのの画分を,P388 leukemia細胞を移植したマウスに腹腔内投与した。それぞれ1日1回,20日間連続投与を行って,生存日数を測定した。各群の生存日数中間値を求め,対照群に対する延命率を求めた。検体A〜Cは,延命効果は認められなかった。しかし,検体DおよびEでは有意な延命が認められた(T/C% 133%)。熱水抽出物や,そこから分離した高分子や低分子の画分では抗腫瘍作用は認められないが,これらを混合することによって,有意な抗腫瘍作用が見られた。このことは,エタノール処理をした画分を混合することによって相乗作用が現れているものと考えられる。
日本健康医学会の論文
2004-04-30