魚油含有健康食品の過剰摂取について

概要

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市販されている魚油含有健康食品中の脂肪酸プロフィール,過酸化物価(PV),トコフェロール含量および酸化安定性について検討し,過剰摂取時の影響について考察した。魚油含有健康食品の構成脂肪酸は飽和脂肪酸および一価不飽和脂肪酸が約50%を占め,ついでEPA,DHAといったn-3系高度不飽和脂肪酸(PUFA)が38.4〜48.4%と多く,リノール酸,アラキドン酸といったn-6系PUFAは2.7〜4.3%と少量であった。また,n-3/n-6比に差がみられたが(9.2〜16.5),これはn-6系PUFA量の差異によるものであった。PVは構成脂肪酸の被酸化性に依存ぜず,トコフェロール含量に依存した。また,保存中にPVが増加した検体がみられたが,問題のないレベルであった。欧米人に比べ,日本人のように比較的多く魚介類を摂取している場合は,n-3系PUFA摂取の付加的有効性が期待できるかどうかは疑問である。したがって,疾病時などは,過剰摂取の影響を顕著に受ける可能性が高いので注意が必要である。魚油含有健康食品の摂取によってn-3系PUFAの生理機能を期待するよりは,脂肪摂取量エネルギー比を低下させることで,コレステロール,SFAあるいはn-6系PUFA摂取のマイナス面を相対的に減少させることが望まれる。
日本健康医学会の論文
1999-06-25