高齢者の第1次集団のかかわりと生命予後に関する研究

概要

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目的 : 本研究は、高齢者の別居の家族、親族、近隣、友人とのかかわりが高齢者の死亡率に与える影響を検討し、保健福祉サービスにおける住民相互のサポートのさらなる展開への一助とすることを目的とした。方法 : 1991年より現在まで継続している大規模コホート調査の一部を再分析した。対象はT村在住の60歳以上の者663人で、高齢者の別居の家族との往来・会話や手紙、村以外の友人知人との往来・会話や手紙、近隣友人知人との往来・会話や手紙それぞれの年回数と、5年後の生命予後との関係をX^2検定、統制要因を投入した多重ロジステイック回帰分析を用いて分析した。結果 : 1)408人から有効回答を得た。75歳未満306人(75.0%)、男性179人(43.9%)、中学卒業以下373人(91.4%)、移動動作要介助67人(16.4%)、食事動作要介助12人(2.9%)、排泄動作要介助1人(0.3%)、入浴動作要介助4人(1.0%)、更衣動作要介助11人(2.7%)、高血圧症92人(22.5%)、糖尿病26人(6.4%)、心疾患38人(9.3%)であった。2)X^2検定により、5年後の死亡と関連のある要因は年齢階層75歳以上、移動動作要介助、更衣動作要介助であった。3)性別と年齢階層を統制要因とした多重ロジステイック回帰分析では、第1次集団のかかわり年間36回未満、更衣動作要介助に死亡率の増加が有意に高かった。4)性別、年齢階層、日常生活動作能力、慢性疾患を統制要因とした多重ロジステイック回帰分析では、第1次集団のかかわり年間36回未満、年齢階層75歳以上に死亡率の増加が有意に高かった。考察 : 1)第1次集団のかかわりが年間36回未満の時、高齢者の5年後の死亡率が高くなっていた。2)本研究の結果は、高齢者自身や地域住民へ相互支援活動の啓発と、保健福祉サービスにおける質的な有効性、閉じこもりの度合いの指標に活用できよう。
2001-10-31

高齢者の第1次集団のかかわりと生命予後に関する研究

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