保健福祉サービスにおけるエンパワメント環境の整備に関する研究 : 訪問面接とグループインタビューによる当事者主体のニーズ把握
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概要
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目的 : 本研究は、在宅高齢者が住み慣れた環境で、健康で生きがいをもって生活を送ることができる生活条件を当事者の二ーズに基づき明らかにすることで、保健福祉サービスにおけるエンパワメント環境の整備のあり方について検討することを目的とした。方法 : 中部地区大都市近郊農村地帯において、健常高齢者(39名)と虚弱・要介護高齢者(54名)に対し訪問調査法(93名)とグループインタビュー法(15名)による調査を実施した。その内、質問に対して有効回答が得られた健常高齢者(37名)と虚弱・要介護高齢者(49名)の訪問調査結果(86名)とグループインタビュー調査の結果からエンパワメント理論とシステム理論に基づき複合分析を行った。結果 : 複合分析の結果、在宅高齢者の生活条件として、「個の条件」では、生きがい・楽しみ、社会貢献の場や機会の活用、健康な生活への主体的な取り組み、保健福祉サービスの活用、「相互の条件」では人との交流、相互支援体制の整備、「地域システムの条件」では、安全で安心できる環境の整備、緊急時の支援システム、参加可能な多種多様な保健福祉サービスの必要性など、具体的なエンパワメント環境整備への項目が得られた。考察 : 1)高齢者が自分の意志で生活に関心を持ち、生活を送ること、2)地域で高齢者をエンパワメントする相互支援システムの推進と実現、3)コミュニティに参加可能な多種多様な保健福祉サービスの充実が、エンパワメント環境の整備に結びつくものであることが示された。
- 日本保健福祉学会の論文
- 2004-03-30
著者
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