行政機関で働く新任保健師の力量形成に向けたニーズ関連要因に関する研究

概要

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本研究は、新任期において行政保健師が専門的力量を形成するためのニーズを明らかにすることを目的とした。本研究では、行政保健師の専門的力量を総合的にとらえ、「地域住民の主体的な健康づくりを支援するために、看護職であり行政織である立場で、住民・関係者・関係機関と協働しながら、個人・家族・集団・地域を支援対象としたアセスメント・ニーズの明確化・計画・実施・評価のプロセスにおいて、連動して発揮される能力の総体」と定義し、グループ・インタビュー法を用いてデータ収集と分析を行った。実務経験年数5年以下の行政保健師17名(2グループ)を対象に、住民・地区組織から高い評価が得られた/得られなかった事例とその背景要因、専門的力量を高めるために必要な経験と周囲の環境、現任教育に対する希望や意見について尋ねた。その結果、専門的力量形成のためのニーズは3領域に分かれ、1)個の領域では、専門職としての自覚、基礎的能力、経験から学ぶ学習スタイル、前向きで柔軟な性質、地域での安定した私生活、2)相互の領域では、指導者との交流、他職種との交流、地域住民との交流、保健師仲間との交流、3)環境の領域では、指導者個人の資質、所属機関の業務の特性、職場内・職場外研修の体系、職場の人員構成、組織の雰囲気、外部とのネットワークに分類された。今後の課題としては、基礎教育において、職業的アイデンティティの基盤と実践のなかで学びとる力を形成すること、職場での発達支援に関するメンタリングの概念を用いて組織の構造を見直し、指導保健師を育成することが示唆された。
2005-09-30

行政機関で働く新任保健師の力量形成に向けたニーズ関連要因に関する研究

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