共通鍵暗号方式における情報理論的安全性と計算量的安全性の関係

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概要

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変動距離(統計距離)に基づいて定義された情報理論的安全性と計算量的安全性の関係について考える.完全秘匿性を保証するために,平文と暗号文の確率的独立性を定量化する手段として我々は通常,相互情報量を用いる.その一方で,情報理論的安全性と計算量的安全性を統一的に扱うためには,完全秘匿性も変動距離に基づいて考えることが望ましい.そこで本稿では,変動距離を用いた完全秘匿性の自然な定義を三種類与え,それらの関係を議論する.その結果,完全秘匿性におけるこれらの安全性概念のうち二つは,計算量的安全性における強秘匿性および識別不可能性において攻撃者の能力を制限しない場合に本質的に等価であることを明らかにする.さらに,もう一つの安全性概念は,他の二つより強い安全性概念であることを示す.
2011-05-13

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