老人保健施設入所痴呆高齢者の高次脳機能とADLの特徴に関する調査研究
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概要
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老人保健施設入所高齢者の中で「痴呆症状あり」と判定された109名を対象として、見当識・記憶・言語・視空間認知・構成の4領域からなる認知機能検査バッテリーを用いて認知機能障害の詳細な検索を行った。同時に、これら施設入所高齢者を対象に日常生活動作・活動面での実態評価も実施した。このうち82名のデータを解析したところ、認知機能障害の重症度および障害パターンに基づき、A:境界域-軽度群、B-a:記憶障害群、B-b:視空間認知・構成障害群、B-c:記憶+視空間認知・構成障害群、B-d:言語+視空間認知・構成障害群、B-e:無特徴群、C:重度群の7つの下位群が分離された。また、下位群間でADLの評価結果を比較したところ、その特徴は群間で異なる傾向を示した。以上より、老人保健施設に入所中の痴呆高齢者の認知機能障害は一様でないことが明らかとなった。また、認知機能障害のパターンと重症度がADLに影響を与えている可能性が認められた。痴呆高齢者のケアプログラムの立案には、生活上の障害とともにその背景となる認知機能面の障害特徴を把握することの重要性が示唆された。
- 国際医療福祉大学の論文
- 1999-12-22
著者
-
杉原 素子
国際医療福祉大学保健学部作業療法学科
-
植田 恵
国際医療福祉大学言語聴覚障害学科
-
笹沼 澄子
国際医療福祉大学言語聴覚障害学科
-
田川 義勝
国際医療福祉大学
-
荻原 喜茂
国際医療福祉大学保健医療学部
-
荻原 喜茂
国際医療福祉大学
-
杉原 素子
国際医療福祉大学大学院
-
下田 信明
国際医療福祉大学
-
杉原 素子
国際医療福祉リハビリテーションセンター・国際医療福祉大学 保健学部 作業療法学科
-
田川 義勝
国際医療福祉大学 保健学部 作業療法学科
-
三井 速雄
国際医療福祉大学 総合教育センター
-
笹沼 澄子
国際医療福祉大学
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